今年に入ってから様々な話題で取り上げられた仮想通貨がなぜ今も注目されるのでしょう?
仮想通貨の仕組みであるブロックチェーン技術は画期的で、私達の概念や暮らしに影響を与えていく
ことが予想されています。
ブロックチェーン技術がここまで飛躍した理由には、ICO(Initial Coin Offering)が大きく関わっています。
最先端の技術を開発するためにスタートアップする企業やプロジェクトにとって、非常に重要な資金調達法
だからです。
仮想通貨の取引を始めたことのない人、または仮想通貨について興味がある人にとっても重要なワードです。今後ブロックチェーンの技術が実用化されて浸透する前に、詳しく知っておきたいと思いませんか?
この記事ではICOの目的や内容について、初心者の方でもわかりやすいように解説していきます。
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ICO(Initial Coin Offering)とは?
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)はブロックチェーン技術を採用した企業や開発プロジェクトが、
独自の仮想通貨を発行して資金調達をすることを指します。
この次世代型とも呼ばれる資金調達法は、クラウドセールまたはトークンセールともいわれています。
昨年にはZaifの運営元テックビューロ社が、企業がブロックチェーンを導入するためのICOをサポートする
プロジェクトを発足しました。
同社による「comsa」プロジェクトの資金調達額は100億円以上集まり、投資家達の潜在的なICOに対する期待
度が明らかになりました。
短期間で巨額の資金が集まり、注目されるICOとは一体どのようなものなのでしょうか?
注目される理由には、ICO主催側とICO参加者のそれぞれのメリットがあるのです。
ICO(Initial Coin Offering)が注目される理由
仮想通貨市場では、ICOによる資金調達法が主流になっています。
資金調達の際に開発のプラットホーム上で独自の新しい仮想通貨を発行して、ICO参加者は仮想通貨の基軸通貨
であるビットコインやイーサリアムで購入します。
ICO開催時に発行される新しいトークン(暗号通貨)は、ICO主催者によって発行数や資金調達額・使用用途を自由に
設定することができるメリットがあります。
資金調達にあたって特別な資格や金融機関の審査が必要なく、開発にかかる費用を国籍問わず集めることが可能
です。
仮想通貨の特徴である、送金手数料が安くて送金にかかる時間も圧倒的に法定通貨より早いことも挙げられますね。
またICO参加者も、ICO終了後にトークンが取引所に上場された際に価格が上昇するのを見越してプロジェクトを
応援できるメリットがあります。
いわゆるキャピタルゲインを得られることから、ICOは投資家達にとって人気があります。
このようにICOはIPO(未公開株)と同じ構図に感じとれますが本質的には異なる部分があり、ICO参加者は投資
対象としてみるにはいくつか気をつける点があります。
ICO(Initial Coin Offering)には法律が適応しない!?
株式のIPOとの違いは、トークン発行者には厳正な審査やトークン購入者に対しての返済義務がないのが現状
です。
資金を目標金額まで集めた後に、トークン購入者に何も保証がないままプロジェクト自体が消滅する可能性も
あります。
このようにICOについて法整備が整っていないことから、今後のロードマップもさほど具体化していないプロ
ジェクトでも容易にお金を集められる仕組みといっても過言ではありません。
トークンは目的が達成された場合に配当金として分配されることもあり、株式のように捉えられることも
あります。
仮想通貨が有価証券にあたるのかという議論もあり、国によって仮想通貨をどう扱うのかという概念も違って
世界で統一した法律はありません。
最近では各国の政府が注意喚起や規制の方針を打ち出したように、ICO詐欺についても問題になっています。
実際にICOで資金調達を果たして、実用化に向けて着々と開発を進めている優良なプロジェクトも多数あり
一概にICO自体を否定するのは難しいでしょう。
数ヶ月後または1年以上経ってから開発の成果が認められる場合もありますので、ICOに参加する際にはホワイト
ペーパー(開発についての詳しい文書)にも目を配ることが必要です。
ICO(Initial Coin Offering)の配当の種類とは?
金融庁がICO詐欺の注意喚起をしている中、プロジェクトの信頼性や将来性を見極めて利益を受けているICO参加者
もいます。
中にはICO開催時に購入したトークンを保有しているだけで、配当を受けて資産を増やしているトークンホルダーと
呼ばれる人々もいるのです。
ICOという資金調達法が仮想通貨市場では主流になっていますが、ICO参加者は取引所上場後の売買価格差で利益を
受ける以外のメリットはあるのでしょうか?
トークン発行元のプロジェクトの内容によって、トークンの種類や特徴は大きく5つに分けられています。
決済時に使える仮想通貨型トークン
ビットコインのように仮想通貨を、決済方法として利用する目的で発行されるのが仮想通貨型トークンです。
開発のプラットホーム上でも送金手段として利用できることから、主に取引を想定したタイプのトークンです。
<h3>開発者側から特別優待を受けれる会員権型トークン</h3>
これはトークンの保有数によって、ICO主催側から会員優待を受けることが出来るトークンです。
さらにはプロジェクトに提携している企業のサービスや優遇がある場合もあります。
サービスの利用料として使えるプリペイド型トークン
ICO主催者側が提供する商品やサービスの支払い代金として利用出来るのが、プリペイド型トークンです。
プラットホーム内での限定的な利用目的が特徴であることと、ICO主催側は交換するための資金がある程度
必要になります。
イーサリアムが代表アプリケーション・プラットホーム型トークン
イーサリアムは開発のプラットホームとして、数々の分散型アプリケーションのベースになっています。
ERC20トークンと呼ばれるイーサリアムの規格に基づいたトークンがICO時に発行されることが多いため、
トークン配布にはマイイーサウォレット(イーサリアム公式のウォレット)が必要になるのです。
アプリケーション・プラットホーム型トークンはアプリケーションの利用料としての機能を持ちます。
プラットホーム上でトークンの需要が増えるとともに、価値も上昇していく傾向があります。
主流になりつつある人気のファンド持ち分型トークン
ファンド持ち分型トークンは、ICO主催側のプロジェクトの成果によって配当を受けれるしくみです。
最近ではこのタイプのICOに人気が集中し、人気のある大型のICOでは抽選によるトークン購入となる場合もあり
ます。
トークンセールは何回かに分けて期間を設けられることがあり、最初に購入した方が配当が大きいというメリット
があります。
ICO(Initial Coin Offering)に参加するには?
ICOは誰でも参加できますが、同時にリスクを伴うことがあります。ICOは法的拘束力のある投資ではありません。
法律で規制がないため、思うような成果が得られなくても全て自己責任です。
でもどうしても参加してみたいという方は、確かな情報を集めて検討する必要があります。
色々経験を積んだ投資家達でも仮想通貨の値動きだけをみているわけではありません。
どのようなプロジェクトなのか知るために、ほとんどが英語で書かれているホワイトペーパーの翻訳に苦労しながら、
判断材料にしています。
それではICOがいつ開催されるかという情報は、どこで調べるのでしょう?
ICOについての情報サイトがいくつかありますので、参考までに紹介します。
ICO(Initial Coin Offering)の情報はどこで知るのが一番?
ICO情報は人気仮想通貨ブロガーさんが情報を発信してくれていますが、ICOプロジェクトについて格付けしている
サイトが存在します。
ICO COUNTDOWN ではでICO開催予定のプロジェクトの一覧がカウントダウン形式で紹介されています。
赤いタイマーがまもなく終了するプロジェクトを示していて、さらには運営元の判断でプロジェクトが削除されている
場合もあります。
プロジェクトの実行の過程に問題があれば削除するようですが、詳しい理由を知りたい場合はトップ画面の上部から確認す
ることができます。
COIN JINJAは日本語サイトで、初心者にも優しいICO案件の簡単な紹介もあります。おすすめ順で検索すれば、どの案件が
人気があるか確認することができます。
COIN JINJAはアプリも人気があります。「コイン相場」アプリで仮想通貨の価格や情報を集めることができ、もちろんICO
最新情報もCOIN JINJAとリンクして確認できます。
ただICO COUNTDOWN のように、運営元の独自の判断で削除といったことがないのでできるだけ多くのサイトで比較する
のも大切です。
いくつかのサイトを見てより多くのデータから判断する方が確実かもしれません。
ICO(Initial Coin Offering)に参加する時の注意点
ICOに参加する前に、日本の取引所で口座を開設する必要があります。日本の仮想通貨取引所では、本人確認が完了しない
と取引を始めることができません。
身分証明書と登録内容が一致すれば、取引所から完了ハガキが登録住所に1〜2日くらいで届くでしょう。
その後ICOで受け付けている仮想通貨を購入して、専用のウォレットに移してから主催者側に送金する流れになります。
ICOに参加する場合はほとんどが海外主催で、最近ではKYC(Know Your Costomer)と呼ばれる本人確認に身分証明
を求められることがあります。
パスポートを持っていれば問題はないのですが、翻訳された住民票を用意するまで時間と費用もかかります。
さらに自分のウォレットがトークン配布に対応しているかなど、あらかじめ調べておく項目も多く初心者の方にとっては
ハードルが高く感じられるでしょう。
無事指示どおりに、指定のアドレスに送金が完了してもフィッシングサイトだったという事例も少なくありません。
フィッシングサイトかどうかURLを見分けるにも一苦労です。
たしかにICOに参加して価格の低いうちに上昇が予測される通貨を購入できることは大きなメリットですが、それ故に
初心者の方が安易に参加するのは危険です。
国内取引所のZaifの1000円から始められるコイン積み立てもおすすめです。
同じく国内取引所のBitflyer の「ビットコインをもらう」というサービスで少しずつコインを集めることもできますので、
無理のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか?
ICOに参加する上で大事なこと
ICOの参加者は開発者や事業プロジェクトを応援する目的もありますが、多くは投機的な投資対象とみているのが現状です。
ICOが成功したかという判断は早急に判断するのは難しいのです。
プロジェクトが成功するまでには、ユーザー数が増えないとアプリケーションが有効に稼動しないなどといった時間を要
するものも多くあります。
最先端テクノロジーを世界中に届けたいという取り組みをしている開発チームでも、段階的に成果を発表していくことが
難しくなるでしょう。
有能なチームであれば上場後に通貨の価値が認められる場合もありますので、ICOに参加できなかった方は上場後に購入して
も遅くはありません。慌ててICOに参加する必要はないのです。
ブロックチェーン技術を採用する分野は、銀行決済などの金融機関だけではありません。エンターティメントや医療、保険、
さらにはAIやIoT分野の多岐にわたってとりいれられようとしています。
様々な業界でプロジェクトが発足することが予想されますので、自分の詳しい分野や興味のあるものから情報を集めてみま
しょう。