【国産2大コイン】J-coin vs MUFGコイン開発状況と今後の覇権は?

仮想通貨を投資の対象とだけ捉えている方は、銀行が独自に発行するデジタル通貨(仮想通貨)のニュースは目に止まらないかもしれません。

しかし、金融業界が仮想通貨業界に参入するという変化は少なからず、どんな人にも影響があるということは知っておかねばならないことです。

銀行の独自コインは大きな価格の変動を抑え、主に決済に利用されます。

言わずして投資の対象ではないけれども、銀行が仮想通貨を導入するということは日本で遅れている「キャッシュレス化」を加速させます。

キャッシュレス化が暮らしを便利に、そして今後提供されるサービスも大きく変わるといわれても正直ピンとこないでしょう。

日銀が発行する日本円を頼りに、長い間財布から支払いを済ませてきたのだから無理もありません。

キャッシュレス化で既存のシステムがなくなり、新しいものが誕生する変革の時代の波は既に始まっています。

電子マネー、クレジットカードにはない仮想通貨の機能を持つ銀行独自のデジタル通貨がどのような変化をもたらすのか?

巨大メガバンクが展開するJ-coinとMUFGコインの開発状況と今後の覇権はどうなるのか解説していきます。

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日本の金融システムを大きく変えるJ-coinとMUFGコインとは?

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日本に限らず世界的に見ても、金融機関からすると仮想通貨に対しての印象は決して良いものではありませんでした。

しかしそれはあくまで表面上の話であって、ブロックチェーン技術においては希有な存在として、水面下ではしっかりと調査や研究が進められていたのです。

実際に各銀行でブロックチェーンを利用した送金や決済の実証実験が行われました。

2017年9月にみずほ銀行、12月に三井住友銀行、今年に入ってからは三菱東京UFJ銀行が5月にXRPを利用した国際送金の実証実験に着手しています。

各銀行が提携する企業と協力したり予算をかけているのは、送金コストの削減と時間短縮のメリットだけではありません。

金融機関を介さずに全ての送金や決済が完結してしまえば、銀行は顧客に関しての情報やニーズを把握できません。

革新的なアプリを提供するいくつかの一般企業だけが、サービスを向上して成長していけるからです。

そこに先進国であるが故に遅れてきたキャッシュレス化の問題に銀行側も参入するようになったのです。

第一ステージに店舗や個人間の少額決済に注視していくようですが、ビジネスの世界でも発展させて既存の金融集中型のインフラを継続させる狙いがあります。

銀行が独自のコインを投入して構築したい新たなプロジェクトはどのようなものなのでしょうか?

注目のJ-coinとMUFGコインについて紹介していきましょう。

みずほ銀行、ゆうちょ銀行、70の地銀連合「J-coin」

みずほフィナンシャルグループや複数の地銀連合が共同で発行するのが「J-coin」です。

日本円に固定されたJ-coinは価格変動を気にすることなく、個人間や企業間の支払いに利用できます。

預金口座とアプリを連携し店頭やインターネットで決済を完了させ、キャッシュレス化を加速させる狙いです。

さらにみずほグループとソフトバンクの共同出資会社でAIによる個人向け融資「Jスコア」でデジタル通貨の融資・返済が可能になるとの発表がありました。

将来的にはJ-coin以外のメガバンクのコインもサービスの対象になるようですね。

みずほグループではATMの維持費用などのコスト削減や、AI関連の事業に着手していることからもビッグデータの収集にデジタル通貨の導入で効果を発揮させたいようです。

三菱東京UFJ銀行「MUFGコイン」

「MUFGコイン」も同じく日本円にペグされ、三菱東京UFJ銀行独自のサービスを展開していくようです。

最近ではAmazonと認証技術を利用した、レジなしで実店舗で買い物ができるシステムの実証実験を行ったことが明らかになっています。

またMUFGコインの価格安定のための取引所運営を検討していて、高速で決済が可能なブロックチェーンプラットホームを開発しています。

三菱東京UFJ銀行では同グループに証券・投資部門を持ち、仮想通貨関連商品の提供を示唆していて、まさにブロックチェーンで銀行として生き残りをかけています。

同社は金融庁としても信頼できるフレームワークとして銀行が受け皿になるのであれば、ポジティブな流れになるだろうとの考えです。

確かにセキュリティ面で楽観視をしてほしくはないですが、日本の経済低迷は現行の金融政策では手の打ちようがないとの意見もあります。

ブロックチェーン関連で経済効果を期待し、注力する姿勢は業界の刺激になるでしょう。

 

乱立する銀行独自のコインの覇権はどこに?統合の可能性は

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これから紹介する各銀行が参加するプロジェクトは今後の日本経済が変わる予兆を感じさせるものです。

そして出資する団体や企業の顔ぶれを見ると、キャッシュレス化のインフラの構築に日本全体で推し進めていこうとする動きがあることが理解できるでしょう。

銀行独自のコインの覇権は、数年後に決着がつきそうです。

数年先のビジョンを掲げたプロジェクトの進み具合が鍵となるでしょう。

統一への可能性は全く閉ざされているわけではなく、富士通ではメガバンク3社とのブロックチェーンのP2Pを利用した個人間の送金システムの実証実験に成功しています。

メガバンク3社(三菱東京UFJ・みずほ・三井住友)には連携可能な個人間決済プラットホームが存在しているということです。

各分野での独自のサービス提供による住み分けをしながら、協力してキャッシュレス化普及をしていくこともあり得るでしょう。

国際的な送金分野ではSBIとリップルが取り組む内外為替一元化コンソーシアムにいずれも参加しているので、どう考えても連携せざるおえない状況でもあります。

経済産業省「キャッシュレス推進協議会」とみずほフィナンシャルグループ

経済産業省は2025年の大阪・関西万博に向けて、キャッシュレス社会を実現するために「キャッシュレス推進協議会」を設立しました。

この産学官によるキャッシュレス推進母体の副会長を務めるのが、みずほ銀行の取締役頭取です。

その他の初期メンバーにはNTTやソフトバンク、既にキャッシュレスを実現するモバイルアプリを提供する(株)Origamiも参加しています。

平成37年までにキャッシュレス比率を40%に引き上げることを目標とした発足団体によって、ビジネスモデルの変革が起きることが予想されています。

各企業ごとで異なるモバイル決済を導入した場合に、キャッシュレス化普及の妨げになることも予想されます。

単一したモバイル決済の仕組みを経済産業省が主導していくということですね。

さらにみずほグループは(株)メタップスらと提携して、スマホ決済アプリ「Pring」をリリースしています。

Pring(プリン)では6月から加盟店を募集していて、実店舗でのQRコード決済が可能になります。

決済手数料が業界最安値の0.95%の設定で、今までクレジット決済の手数料の高さに導入を見送っていた小売業界からもニーズがありそうです。

J-coinの実用化に向けての第一歩として、福島で実証実験が行われています。

米コインベース日本支社と三菱東京UFJ銀行

世界最大級の米コインベースが日本に進出することで話題になりました。

三菱東京UFJとは2016年に提携をしていて、コインベースを利用する際には手数料等で何らかの優遇はありそうですね。

この提携で提供されるサービスの詳細はまだありませんが、ウォレットアプリ関連の融合が期待されています。

三菱東京UFJはMUGFコインとしての取引所も開設予定ですから、モバイルでの取引の利便性が向上する可能性もあります。

ただコインベースの金融庁への仮想通貨交換業の申請が時間がかかるため、期待されるサービスの提供はもう少し先になりそうです。

間違いなく日本の仮想通貨市場は盛り上がるともいえますが、日本の法律や規制の方向性に左右されやすいでしょう。

さらに三菱東京UFJは、決済としてのインフラを整えていくためのIIJ(株)による新事業「ディーカレット」に出資をしています。

IIJ (インターネットイニシアティブ)はデジタル通貨による取引や決済などの金融サービス事業を手掛ける資本金約52億円の合弁会社を立ち上げました。

発表資料では「ディーカレット」を通じてキャッシュレス化を進める新たな社会インフラを構築していくものです。

出資する企業メンバーから見てもビッグプロジェクトではありますが、こちらも仮想通貨を扱うために金融庁の申請を受けなくてはなりません。

ロードマップでは2018年の下期にウォレットを用いたデジタル通貨の交換と決済のサービスを開始し、仮想通貨取引市場を拡大していきます。

その後は決済市場の拡大を図ると同時にブロックチェーンを用いた新決済プラットホームを確立し、2022年にリリース予定です。

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