「ブロックチェーン革命」とも呼ばれる程に仮想通貨市場は、急速に発展と開発を進めてきました。
中でも業界に大きな影響与えたEthereum の「スマートコントラクト」は画期的な発明のひとつでしょう。
スマートコントラクトの詳細についてはスマートコントラクトで注目を集める仮想通貨イーサリアムとはを参照ください。
Ethereum の誕生の発端や今後の動向について、気になる方も多いのではないでしょうか?
「Ethereum の生みの親」として知られる若き天才Vitalik氏の存在なくして、Ethereum を語ることはできません。
現在でも彼の発言の影響力は強く、仮想通貨市場の今後の動向に深く関わります。
Vitalik氏によるEthereum 誕生から、現在に至るまでの経緯について詳しくみてみましょう。
Ethereum の生みの親Vitalik とは?
Vitalik ・Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏が率いるEthereum 開発チームは、2014年に当時珍しかったICO(イニ
シャル・コイン・オファリング)を実施しています。
ICOについてはICO(Initial Coin Offering)とは?ICOの目的や内容について詳しく解説にてまとめてありますので、是非この機会にICOの目的や実施方法などを再チェックしてみてください。
Vitalik 氏が考案したEthereum は、彼が19歳の大学在学中の時に世に生み出されました。同年の11月にはホワイトペーパー(開発についての文書)を作成していました。
当時の価値で20億円以上の3万1000BTCを超える資金を集めました。
なぜVitalik 氏は19歳という若さでEthereum の構想を提唱できたのでしょうか?
彼がどのような人物なのか興味が沸いてきますね。Vitalik buterin氏の経歴について紹介しましょう。
Vitalik ・Buterin(ヴィタリック・ブテリン)ってどんな人物なの?
Vitalik 氏は1994年に誕生しロシアのモスクワ州コロムナで6歳まで過ごします。
彼の父親はコンピューターアナリストで仕事の都合でロシアからカナダに移り住みました。
母親もビジネスアナリストだったことから、小学3年生の時には数学・プログラミング・経済学を学んでいました。
天才児が集まる特殊クラスでも、群を抜いた計算力を持っていたそうです。
彼は17歳の時にビットコインの存在を知ることになります。最初にビットコインを教えたのは、彼の父親でした。
その後ビットコインの記事を書く仕事を見つけて、当時で4ドル程の価値の5BTCを稼いだようです。
その後も記事を書き続け、8.5BTCでTシャツを買ったことも後に語っています。
在学中にビットコイン関連のプロジェクトに従事していた彼は、週30時間程費やしていたそうです。
このことからVitalik 氏はビットコインもしくはブロックチェーン・テクノロジーのポテンシャルをすでに感じていたよう
ですね。
その後「Thiel Fellow ship」という大学中退者向けに支援を行うプロジェクトに参加し5ヶ月間、世界中のビットコインを
研究するデベロッパーを訪ねる旅が始まります。
Vitalik によるEthereum 誕生!スマートコントラクトとは?
ビットコインについて考察を深めたVitalik 氏はThiel Fellow ship から、100,000ドルの支援を受け大学を退学します。
このプロジェクトは大学中退者対象のため、Vitalik 氏はウォータールー大学(理工系の研究型大学)を中退していますが、
在学中の18歳の時には、情報科学の国際オリンピックで銅メダルを獲得しています。
退学後は開発に専念し、旅の途中に思い描いた「あらゆる目的のために使えるブロックチェーンのプラットホーム」
Ethereum を誕生させたのです。
Ethereum は改ざん不可能な契約データをブロックチェーン上で管理する「コントラクト」という形で記録を残すこと
が最大の特徴です。
Ethereum の代名詞ともいわれる「スマートコントラクト」は、契約情報をブロックチェーンに記録できる仕組みのこと
と捉えてもらうといいでしょう。
Ethereum のスマートコントラクトは書面上の契約だけではなく、取引に関わる行動全般を自動で実行できます。
この仕組みを採用して送金から決済・不動産取引・保険・マーケットプレイス・ゲームの課金などあらゆる取引を自律し
て実行できるため、金融機関のみならず世界中の企業にも注目されているのです。
Vitalik の目指すEthereum とは?
Vitalik 氏は日本に2016年と2018年に来日しています。ビットコインの創設者である「サトシ・ナカモト」が生まれた日本
に対して強い思い入れがあるそうです。日本人の私達にとっても誇らしく喜ばしいことですね。
Ethereum は時価総額がビットコインに次ぐ第2位の地位を築いていますが、日本に来日した際にも現在抱えている問題を
解決すべく3つの技術について語っていました。
今後2〜3年かけて行われる重要な3つの技術はEthereum の抱えている問題を解決できるのでしょうか?
Ethereum の抱える問題とは?
Ethereum の抱える問題のひとつに、スケーラビリティの維持があります。
スケーラビリティ問題については仮想通貨のスケーラビリティ問題とその解決法とは?にて詳しく触れているのでチェックしてみてください。
スマートコントラクトは通常の送金処理に比べてコストを費やし、ノード(ネットワークに参加している個々のプログラム)の数が多くなるに連れてネットワーク全体の処理能力が低下してしまいます。
そこで現在考えられている技術に「Casper」・「Plasma」・「Sharding」の3つの実装が解決に導くといわれています。
中でも「Sharding」という技術はEthereum のみならず、他の開発プロジェクトでも採用されている重要な技術です。
Ethereum のコンセンサス・アルゴリズム(取引の正当化を承認するプロセス)を大きく変える必要があり、実装には慎重な動きがあります。
この3つの技術によるアップデートが実行されると、Ethereum はさらに取引処理能力を高めることになります。
Ethereum はこれまで大型のアップデートを重ね、さらに性能を高めてきました。
すでに今回の3つの技術は実装の準備に入り、修正点などもいくつか加えられているようです。
正式なアナウンスがあった時には、Vitalik 氏のコメントが誌面に大きくとりあげられるでしょう。
Vitalik が望むEthereum の未来
米ブルームバーグが2017年世界で一番影響力を持った人ベスト50を発表し、そこにはVitalik ・Buterin の名があります。
この賞にはAmazon のCEO兼創業者なども選出されていて、Vitalik も世界のトップの起業家と並んで市場に大きな影響を
与えるのではといわれています。
ブロックチェーンの価値を保つために必要なのは「分散」という原理を保つという理念のもと、Vitalik 氏を中心とした
Ethereum 開発チームは日々研究を進めています。
Ethereum のこれから先の動向には、既存のインフラと呼ばれるシステムの代わりとして機能していくことが求められて
いくでしょう。
Vitalik 氏は誰でもブロックチェーンが使える仕組みを提供することで、数年後に実用化したケースで利用者がさらに優れ
た使い方が出来るような未来を目指しています。