580億円流出分のNEM流出で一躍有名となった仮想通貨大手取引所コインチェックが、大手金融企業マネックスグループに買収されました。
コインチェックのNEM流出事件に関してはCoinCheck(コインチェック)が580億円分のNEMコインを盗まれユーザー大混乱をご参照ください。
仮想通貨流出を巡っての一連の事件によりユーザーや世間の信頼が失墜したコインチェックを、36億円という金額で買収したマネックスグループの買い物は高くついたのでしょうか?それともお買い得だったのでしょか?
コインチェックの業績や今後の仮想通貨業界と照らし合わせて、今回の買収劇を振り返ってみましょう。
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マネックスグループとは
まず、今回仮想通貨大手取引所のコインチェックを買収したマネックスグループとはいったいどのような会社なのでしょうか?
マネックスグループは国内指折りの大手金融グループで、その母体はマネックス証券や日興コーディアルグループ傘下の日興ビーンズ証券といった名だたる証券会社の統合の末にできたグループです。
代表取締役の松本大氏は東大卒で、ソロモン・ブラザース、ゴールドマンサックスなどの世界的に有名な外資金融機関を経験。その後マネックスグループの母体となったマネックス証券を創業した人物です。
マネックスグループ社長の他にも、新生銀行や東京証券取引所の取締役も兼任されており、まさに金融のプロフェッショナルなのがこの松本氏なのです。
買収されたコインチェックの業績
さて、今回36億円という価格でコインチェックは買収されましたが、この買い物は高くついたのでしょうか?お買い得だったのでしょうか?
コインチェックの業績を見て見ましょう。
フタを開けてみるととんでもない業績になっていますね。
NEM流出の補填があったため、特別損失で473億円もの損失を出したものの、それでも63億円の利益が出ていることがわかります。
もし仮に、NEMの不正流出がなかった場合537億円もの利益が出ていた訳です。たらればの話は禁物ですが、コインチェックは超高利益体質のビジネスを展開していたことがわかります。
サービス停止後・一部再開期間でも黒字になっているのも凄まじいですね。
もし今後マネックスグループのもとでコインチェックが信頼を取り戻し、サービス停止前までは行かないにしろ取引流通量を戻すことができれば、かなり良い買い物をしたと言えるのではないでしょうか。
買収によりマネックスグループの株価は急騰
マネックスグループがコインチェックを買収した後の株価チャート図です。
一気に株価が2倍近く急騰しています。世間での信頼は失墜したとはいえ、仮想通貨取引所の超高利益体質を投資家たちは前々から理解していたため、今後の再建に対しての期待値も相まってマネックスグループにとってはかなりの追い風となりました。
株価が停滞していたマネックスグループからすれば、一気に停滞ムードを打ち破る新進気鋭の尖兵を手に入れた格好となり、一方で経営再建、世間の信頼回復に苦労していたコインチェックからしても大手金融の鎧を手に入れ信頼回復の一助となるので、双方にとってWinWinな落とし所に落ちたのではないかと思います。
金融業界の先駆者であり続けるマネックスグループ
今回、マネックスグループの買収は経済面からスポットを当てても「成功」とはいえそうですが、もっと大きなところに野望を抱いており、その一手としてコインチェックを手に入れたという見方ができそうです。
FinTech隆盛の中、金融業界は様々な改革を強いられています。
法律や規制が刻一刻と変化していき、それに応じて金融のサービスはすぐさまカタチを変えて対応して行く必要があります。
仮想通貨取引の基盤となっている分散代用型技術、通称ブロックチェーン技術は中央集権を持たない極めて民主的な技術で、発展・応用が効き、我々の社会ににもこれから必ず浸透してくる素晴らしい技術です。
この技術に先行投資したマネックスグループは時代の変化に対応するために、言ってしまえば既存の金融システムの敵である仮想通貨の需給調整元である仮想通貨取引所を手に入れたわけです。
金融業界の先駆者であり続けるために、一連の買収劇を演じたマネックスグループ。
そしてその代表の松本氏の経営手腕には目を見張るものがあると思います。今後もマネックスグループの動向、コインチェックの動向から目が離せませんね。