仮想通貨市場、そのものに大きな影響を与える米国証券取引委員会(SEC)とはどんな機関なのでしょうか?
- 米国証券取引委員会(SEC)とは?
- 米国証券取引委員会(SEC)の役割とは?
- 米国証券取引委員会(SEC)の発表が与える影響を知りたい
上記のような悩みをお持ちの方に向けて、米国証券取引委員会(SEC)とは何か、その役割と影響について解説します。
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政府機関・米国証券取引委員会(SEC)とは?
SECとは日本語で直訳すると「証券及び取引所委員会」のことを指します。
詳しくは取引所委員会に公認会計士・監査審査会を併せ持つ国の機関です。
1934年に設立されたSECでは株式や債券の取引に関わる違法な行為を監視したり、証券取引においての法規も管理しています。
投資家の保護と公正な市場を目的とし、証券の発行や流通について証券市場を取り締まる規制について絶大な権限を持っています。
市場に与える影響やリスクが高いと思われるものから優先的に規制が入ります。
仮想通貨市場が議題の中心になると、時価総額の減少が躊躇に表れるようになりました。
まさに投資達の不安が価格下落の寄与要因になっていました。
SECの現在の会長である、ジェイ・クレイトン会長は金融・規制に関する法律を専門とする有能な弁護士としてトランプ大統領の指名を受けています。
2017年に歴代の委員会と名を連ねて第30代目SEC会長に就任し、クレイトン会長の発言力も非常に影響力があります。
SECが仮想通貨について議論していた内容とは?
14日に仮想通貨会議(ヤフー・ファイナンス・サミット)がサンフランシスコで開催されました。
議論の内容は仮想通貨関連の詐欺などを回避するため、仮想通貨やICOについての規制が主でした。
ICOについてはICO(Initial Coin Offering)とは?ICOの目的や内容について詳しく解説を参照ください。
そこでICOによる資金調達法に問題があるとして、特に目をつけられていたのがイーサリアムとリップルだったのです。
いわゆる配当を約束する「有価証券」にあたるのではないか?という問題です。
その答えが「ビットコイン・イーサリアムはネットワークが分散化されていて特定の団体に独占されていないため有価証券にはあたらない」というものでした。
SECのコーポレート・ファイナンス部門のトップであるウィリアム・ヒンマン氏のこの発言が大きくメディアに取り上げられました。
コーポレート・ファイナンス部門では、投資家に投資判断を下すための重要な情報を提供しています。
今回はリップルについての詳しい言及はありませんでしたが、SECは今後も銘柄ごとに審査して振り分けしていくような姿勢を見せています。
リップル社はイーサネットがSECに有価証券ではないとお墨付きをもらったことを受け、同様の対応を期待しているようです。
ではSECによって個々の仮想通貨の精査が必要とされていますが、どんなことを基準に決めていくのでしょうか?
SECによる「ユーティリティトークン」・「セキュリティトークン」の違い
「一体、どのようなトークンが有価証券にあたるのですか?」とSECに聞きたいくらいですね。
幾千ものICOが行われてきたのですが、そのほとんどが有価証券の指定を避けようとして、SECの絶対的な権限から逃れようとしてきました。
多くのプロジェクトは、プラットホームで利用するための「ユーティリティトークン」のラベルが必要だったわけです。
このユーティリティトークンは「有用性のある暗号通貨」という意味です。
ネットワーク内のサービスにアクセスするための利用されるトークンという名目であれば、監査を受けることがないからです。
最高裁判所の見解を基にすると、誰かが消費目的で資産を購入している場合は証券にあたらないと認めています。
反対にSECが何度も議論を重ねた「セキュリティトークン」の特徴は、実社会で価値が約束された日本でいう証券にあたるものです。
判断のひとつとしてICO開催時、どのようにトークンを販売するのかという点です。
スポンサーとしての個人やグループが投資におけるリターンを期待して、その価値が裏付けされている場合はセキュリティトークンにあたります。
中央集権的な独占したグループによる価格操作なども懸念しているんでしょうね。
その場合SECによる監査報告が必要で、取り扱う取引所もSECの登録が義務付けされます。
このセキュリティトークンに分類された仮想通貨をSECの登録なしで販売すると、違法業者とみなされてしまうのです。
当然、取引所は販売を取りやめざる終えません。
そのようなシナリオは通貨を保有している投資家達も想像さえしたくなかったために、SECの発言には耳を澄ましているのです。
ビットコインとイーサリアム、そしてその他の通貨の未来は?
コーポレート・ファイナンス部門のヒンマン氏によると、仮想通貨がどのような関わりで証券法にあたるのかと言及する前に前置きがあったといいます。
ブロックチェーン技術がもたらす本当の価値についても肯定的に表明しています。
SECはただ闇雲に規制を強化して、仮想通貨を市場から追い出すということではないようですね。
ビットコインとイーサリアムは規制の対象から外れることで、市場から取り扱いが消えるといったことはないようです。
リップルは?その他のアルトコインはどうなってしまうの?というホルダー達の声が聞こえてきそうですね。
その辺りもSECから明確に断言はなかったのですが、現在の見解や分析から予想していきます。
ビットコインとイーサリアムが規制をクリアした理由
SECは今回、ビットコインとイーサリアムの名だけを発表したことから仮想通貨全体をひとまとめに規制しようとしてはいないことがわかりました。
確かに資金調達法から始まりネットワーク内で使われるトークンもそれぞれ特徴があります。
規制の判断基準として、ネットワーク内に独占する組織や団体がいないこと、ネットワークの分散構造が鍵を握っているように感じます。
ビットコインは公的資金を募ってネットワークを構築したわけではないのでもちろん証券ではないことは明らかでした。
イーサリアムネットワークで利用されるETHは主に公的資金を調達したため、証券ではないかと問題になっていたのです。
現在のETHは分散化されたネットワーク上で提供されるサービスの対価としての利用が主要だったため証券と見なされなかったようです。
今後は不安視していた投資家達の動きがチャートに上向きに現れてくるでしょう。
その他の通貨の未来は?SECの規制はどうなるの?
セキュリティトークンとして規制する必要は、時間の経過とともに必要なくなるのではとSECのヒンマン氏の見解があります。
健全で不正がない市場は、十分に分散化されたネットワークとシステムで成り立っているはずです。
どのコインが証券で、証券ではないといった決めつけてしまうことが問題です。
名が挙がらなかったコインについて絶望を感じることはまだ早いでしょう。
例えば分散ネットワークで単に交換手段とされているコインでさえ、有価証券となりうる投資商品としてパッケージ化して売ってしまうと状況が変わってくるからです。
このように今回の発表はとても反響がありましたが、SECもコインの特性を熟知し投資家を保護していくのは非常に難しいでしょう。
ただ今後ICOに関しては、引き続きSECの監視下の元で行われるのが当然といったスタンスは変わらないようです。
ユーザーにとってもSECの厳しい審査を通過しないICOに資金を提供することがなくなるので、安心して投資を続けられますね。
資金だけ集めて運営元がある日突然消えてしまったり、連絡が取れないといった詐欺ICOを排除してくれるでしょう。