ブロックチェーン技術が社会にもたらしたインパクトは、はるかに大きく
「ブロックチェーン革命」もしくは「Web3.0時代」がやってくるといわれていますね。
私たちには予想もできないテクノロジーの波が押し寄せてきて、突然その革命や時代の変化が訪れてしまうのでしょうか?
普段通りに過ごしている私達の生活や概念はいままでと変わらずといったところが現状です。
私達が感じる時代の変化とは皆で新しいものを受け入れて、感動を覚える瞬間にこそあるのではないでしょうか?
ブロックチェーン技術は従来のシステムでは叶えることができないことを実現しようとしています。
ブロックチェーン上でビットコインを運用し始めて9年目になりますが、いよいよブロックチェーン技術が私達の暮らしに浸透し始める動きが見られています。
ブロックチェーンの持つ技術に触れて、早くも時代の変化を感じてみましょう。
仮想通貨を支える技術、ブロックチェーンの仕組みについてわかりやすく徹底解説していきます。
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ブロックチェーンの仕組みをわかりやすく説明
ビットコインがブロックチェーン技術を利用して運用が始まったのは、2009年の1月4日でした。
ブロックチェーンに記録された情報は全て全世界の誰でも自由に見ることが可能です。
では一番最初の記録が2009年ですので、現在に至るまでどうやって世界中に配信して途切れなくその情報が保管されているのでしょうか?
さらにブロックチェーンに記録された情報はこれから先もずっと続いていくということですね。
この記録を残すためのブロックチェーンとはインターネット上に存在する共有台帳のことです。
この共有台帳を誰も自分だけのものにすることはできません。
何故なら、共有台帳は取引の記録が追加されるためにリアルタイムで更新されていき全世界に向けて発信されています。
全世界のコンピューターに配信されるので、たった数台のコンピューターを自分で管理したとしても占有することは出来ないからです。
この仕組みから、例えば特定の地域で通信ができなくなってもブロックチェーンに記録された情報が消えることはありません。
初めて始まった運用の開始から今日に至るまで一度も途切れることなく、今もなおブロックチェーンの記録は続いているのです。
ブロックチェーンに記録されるものとは?
ではブロックチェーンに記録されるものとは、具体的にはどのようなことが記録されているのでしょうか?
ブロックチェーンの構造はいくつかの取引のデータを「ブロック」にまとめて鎖のようにどんどん繋げていく仕組みです。
ブロックの中身はブロックサイズに合わせて、一定期間の取引情報がいくつかまとめられて格納されています。
ビットコインでは約10分間隔でブロックサイズ最大1MBまでと定めがあります。
このブロックサイズに定めがあるため、ビットコインの取引情報は最大で4000件ほど情報がひとつのブロックに記録されています。
クレジットカードが10分に行える3000〜4000万件の取引処理と比較しても、10分間に記録できる取引の回数が4000件までということはスケーラビリティ問題が発生するのも頷けますね。
スケーラビリティ問題について詳しく知りたい方は仮想通貨のスケーラビリティ問題とその解決法とは?をご参照ください。
さらにブロックの中身を詳しく見ると、複数の取引情報の他に前のブロックの取引データを暗号化した数値とナンスが一緒に含まれています。
前のブロックの取引データの暗号化したものを含む理由には、取引の改ざんを見つけるためのハッシュ値が利用されているからです。
ハッシュ値を取引データに利用することで、改ざんによって元のデータが少しでも変わるとハッシュ値が大きく変化する特徴があるからです。
ナンスはマイナーが取引情報を正しく承認した証として、ブロックの生成に必要な数値です。
このようにブロックチェーンに記録されているのは、いくつかの取引情報だけではないのです。
改ざんがないことを証明するものと正しく承認された証明も、ひとつひとつのブロックに含まれていることになります。
ブロックチェーンの記録に関する疑問
ブロックチェーンに記録されるブロックの中身がなんとなく把握できたところで、様々な疑問が浮かんできます。
ブロックに入りきらないデータがあった場合の記録はどのように処理されるのでしょうか?
万が一、二人のマイナーがほぼ同時にブロック生成に必要なナンスを見つけてしまったら?
こういった問題が起こった場合どのように対応する仕組みなのかも紹介しましょう。
ではブロックチェーンに記録されるブロックサイズは予め決められていましたね。
ブロックチェーンに記録される前に未承認の取引というのがネットワーク内に複数混在しています。
マイナーは手数料が高い取引情報から計算していきます。
10分間隔で生成されるブロックの容量がいっぱいになると、その承認待ちをしている取引情報は次のブロック生成まで待つことになります。
この取引を行ったのに承認されていない、取引が完了していない取引データが集まっているところをトランザクションプールといいます。
このトランザクションプールからマイナー達が随時、未承認の取引情報をすくい上げて取引の検証を行っています。
このプールにある取引データが多いほど、未承認の時間が長くなってしまうということになります。
マイニングはブロックチェーンを採用しているネットワーク内の至るところで日々行われていて、同時期に複数のブロック生成が起こりうることも考えられます。
その場合ブロックチェーンが同じ情報を記録したまま分岐し続けることはないので、あるルールに従って決められます。
「最も長いブロックチェーンを信頼する」というルールがブロックチェーンにはあり、長いというのはマイナーの計算量のことを指します。
つまりチェーンを構成するまでの計算量を基にネットワーク内での多数決によって決められています。
ブロックチェーンでは中央組織が存在しないため、このような場面でジャッジを下す裁判官として判断できるのはネットワーク内の参加者達です。
計算量が多い信頼できる方のチェーンにネットワーク上の各マイナーが次のブロックを追加していくため、もうひとつの選ばれなかったチェーンは破棄されることになります。
このルールは悪意のある者が仮にブロックチェーンを分岐させようとしても、信頼を積み上げてきたチェーンにブロックが追加される仕組みから改ざんすることはほぼ不可能であろうともいわれています。
ブロックチェーンでどんなことが起こる?
ブロックチェーンの仕組みから中央機関が存在しない、改ざんは出来ない、ネットワーク内の合意形成から成り立っていることがわかりました。
ブロックチェーンは仮想通貨での決済のためだけに利用するのではなく、様々な分野の既存のシステムに置き換えられる可能性があります。
既存のシステムはあるサービスを受けたい、ある商品が欲しいといった場合には必ず仲介者が存在していてそこから提供されているのがほとんどです。
私達は違和感を感じることなく上乗せされた料金を支払っています。
実際には手にしたサービスや商品の本当の価値が見えない不透明さもただあります。
ブロックチェーン技術を用いてサービスやある商品を提供した場合はどうでしょうか。
ネットワーク内の参加者達から直接サービスを提供もしくは購入することが可能で、必要なのはサービスの対価と送金手数料です。
追加で必要なのは商品を実際に手にするための送料くらいです。
ブロックチェーン技術を用いたネットワーク内で提供されるものは参加者にとって魅力があり、それぞれに有益なものが含まれていることが必要不可欠です。
提供されるものが意と反したものであれば参加者は一人、二人と続いて去っていってしまうでしょう。
より良いもの、皆が参加したいというネットワークにするために理想的な競争が生まれることが予想されます。
ブロックチェーンを採用するメリット・その変化とは?
ブロックチェーンの仕組みが私達の暮らしにどのような変化をもたらすのでしょうか?
ここからはブロックチェーン技術を取り入れた未来の環境について詳しくみてみましょう。
ブロックチェーンを採用するメリットに、今まで必要であった仲介手数料というものが不要になりコストダウンに繋がることがあげられます。
今までかかっていた費用や時間を削減することは、最先端技術の成長に必要なことです。
ブロックチェーン技術の最も注目すべき特徴は世界中の人々がネットワークに参加し、インターネット上で国境を越えて決済を可能にしたということです。
ブロックチェーン技術と共に分散型アプリケーション(dapps)による様々な分野でのサービス提供も期待されています。
dappsについて詳しく知りたい方はブロックチェーン上で動くアプリケーション「dapps」とは?をご参照ください。
インターネットの普及によって世界中の人々とのやりとりを可能にしていますが、決済の時は使いづらさを感じていました。
決済においての通貨の違いや換金する手間がなくなれば、いよいよ国内だけで提供されていたものに国境を感じることはなくなります。
ブロックチェーンによって実現する未来とは?
ブロックチェーン技術が普及することで、世の中に存在するあらゆるものを個人が提供していくといったことを実現できるのです。
個人が提供できるものは、小さいもののように感じられるかもしれません。
個人が提供したものでも価値が認められることや賞賛を得られた分野はたくさんあります。
欲しいと願う人にとっては個人の肩書きやどこの会社に所属している、どこの国の人などといったことはもはや気にならないのではないでしょうか?
ブロックチェーン技術が私達の暮らしや概念を変えるというのはまさにこの部分であり、企業のネームバリュー・役職というのが今までのように重要視されない点にあります。
むしろネットワーク内に評価ランクがあるとするならば、そちらの方が重要視されるでしょう。
もっと先を見越してみると、AIやIoTなどの最先端技術ともブロックチェーン技術は相性が良いのです。
すでに他分野に渡り、この最先端技術を組み合わせた研究が進められています。
これまでのシステムを置き換えるといったことから、これまでになかったシステムが誕生することもありえます。
ちょっと飛躍したようにも感じるかもしれませんが個人の個性や能力が活かされる場面は残り、機械でも出来ることはブロックチェーンの技術と連携したAIが行なっていくという未来に近づいていくのかもしれません。