この記事を読んでいるあなたは、
- 海外FXでどうやって確定申告したらいいか分からない
- 海外FXの確定申告には節税対策ができるのか知りたい
- 海外FXで個人事業主として青色申告をするメリット・デメリットを知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「海外FXでの個人事業主の確定申告の注意点や特徴」などをお伝えしてきます。
特におすすめな海外FX業者は以下の3つなので、ぜひ参考にしてみてください。
海外FX業者名 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
| 公式サイト | |
| 公式サイト | |
| 公式サイト |
なお、以下の記事でおすすめの海外FX業者のランキングを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
海外FXでの個人事業主の確定申告のポイント
海外FXで利益を出している個人事業主が、確定申告をする際のポイントを解説していきます。
初めて確定申告をする人はぜひ参考にしてみて下さい。
年間38万円以上で申告が必要
サラリーマン(給与所得者) | 個人事業主(非給与所得者) |
---|---|
20万円 | 38万円 |
海外FXでの確定申告基準は、個人事業主とサラリーマンとで異なります。
サラリーマンのようにFXを副業として行っている人、FX以外の収入がある人は年間合計38万円以上で確定申告が必要です。
個人事業主の場合は、年間38万円以上で確定申告が必須になります。
「海外口座だからと税務署に伝えなくても分からないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、100万円以上の口座取引が海外とある場合に、銀行やカード会社から送金記録を提出するため把握されています。
「海外口座で稼いだお金だから確定申告を逃れられる」という甘い考えは捨てましょう。
損益通算が可能
海外FXでの利益は、他の副業との損益通算が可能です。
損益通算とは「1月1日から12月31日までに発生したFXの利益と損失を合算して、帳消しする制度のこと」です。
- 公的年金雑所得国民年金
- 厚生年金
- 企業年金
- フリマアプリの売上
- 印税
- 講演料
- 仮想通貨の売買益
例えばこれらの雑所得の範囲の損益との損益通算ができます。
海外FXは「雑所得」の区分となり、もし他の副業で損失が出ていれば利益と損失を相殺できて納税額を下げられます。
ただ国内FXは「申告分離課税」という分類に仕分けされ、海外FXの分類とは別分類です。
個人口座の場合、海外FXでの利益と国内FXでの利益とは損益通算ができないので注意してください。
ですが法人口座なら「事業所得」として海外FXも国内FXも扱うため、損益通算が可能です。
税金が高くなる可能性がある
海外FXは雑所得分類となり、累進課税なので稼げば稼ぐほど税率が上がってしまいます。
稼いだ金額(所得金額) | 所得税(控除額) |
---|---|
195万円以下 | 5%(0円) |
195万円超~330万円以下 | 10%(97,500円) |
330万円超~695万円以下 | 20%(427,500円) |
695万円超~900万円以下 | 23%(636,000円) |
900万円超~1,800万円以下 | 33%(1,536,000円) |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40%(2,796,000円) |
4,000万円超~ | 45%(4,796,000円) |
なぜ海外FXでの所得には累進課税が適用されるかというと、海外FXはそもそも日本の金融商品ではないため日本の金融関連の法律が適用されないからです。
国内FX業者での利益は日本の法律に基づいた金融商品での利益なので、約20%で課税が統一されています。
しかし国内FXの場合は日本の金融関連の方が適用されるため、「申告分離課税」として扱われ、単独計算となり経費との損益通算ができません。
キャッシュバックも課税対象になる
キャッシュバックも課税対象となるため、キャッシュバックも含めて節税対策が必要です。
キャッシュバックとは「口座開設で5,000円分プレゼント」のようなもの、キャッシュバックサイトを経由して口座開設をした場合に入金されるお金も指します。
キャッシュバックは取引で得た利益と同じように出金が可能なので、確定申告時の計上も必須。
確定申告の際は、一時所得として設定し「(収入金額-収入を得るための費用-特別控除)÷2」の計算式で求めて記載しましょう。
海外FXで得た収益の確定申告のやり方
海外のFX業者で利益がでたからと言って、日本在住な限りは日本で納税義務があります。
確定申告をしっかりと行えていないと、脱税になり処罰や追徴金など罰を科されるので注意しましょう。
青色申告か白色申告選ぶ
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
簡単にまとめると青色申告の方が節税対策になるので、稼ぎが多い人は必ず青色申告を使うのがおすすめです。
青色申告 | 白色申告 |
---|---|
|
|
青色申告のメリットは以下です。
- 複式簿記55万円控除(OR簡易簿記10万円控除)
- 損失繰越(3年間まで)
- 専従者給与も経費計上可能
- 30万円未満の経費計上可能
- 家賃・電気代などの雑費も経費計上可能
節税対策や長期的な損失繰越を考えると、青色申告のメリットは非常に大きいでしょう。
ただ色々なメリットを受けるには、注意点やデメリットもあります。
- 「青色申告承認申請書」と「開業届」の事前提出が必須
- 複式簿記での記入が必要
青色申告は誰もができるわけではなく、「青色申告承認申請書」を提出している個人事業主のみが行えます。
また確定申告の内容をより明確にした複式簿記での提出が必須で、デイトレードやスキャルピングなどのトレード数が多い人は非常に面倒です。
その点、白色申告は簡易簿記での確定申告が可能で重宝されています。
しかし控除は受けられず、経費計上の範囲も少ないので節税対策は行なえません。
必要書類をまとめる
確定申告の方法を理解出来たら、必要な書類を準備しておきます。
- 源泉徴収票(給与所得者のみ)
- 年間取引報告書
- 経費計上用のレシート・領収書
- 控除用の書類:年金・社会保険料など
- 本人確認書類
- 確定申告書類
まず源泉徴収票は、FXを副業として行っている人が用意する書類です。
源泉徴収票は会社からの給与がある場合に、すでに支払われている給与の内容を示した書類で年末調整が行われた時に手に入ります。
年間取引報告書はFXでの取引内容を示す書類なので、取引プラットフォームから印刷しておきましょう。
続いて経費計上用のレシートや領収書ですが、例えばセミナーやトレード予想のための書籍費用、PC購入代などが含まれます。
青色申告の方が経費計上できる範囲が広いので、申告の種類に合わせて用意しましょう。
控除用の書類とは国民保健・生命保険など控除として活用できる書類を指します。
ふるさと納税なども納税した証明として活用できるため、捨てずにとっておきましょう。
また青色申告で最大控除を受けるにはマイナンバーが必須なので、速めに取得しておくことがおすすめです。
書類の準備ができたら、申告書を準備しましょう。
申告書A (第一表・第二表) |
|
---|---|
申告書B (第一表・第二表) |
|
分離用 (第三表) | 申告分離課税の所得がある人 |
損失用 (第四表) |
|
申告書の種類 | 対象者 |
分離用・損失用に該当する方は、申告書Bとの併用が必要です。
これら必要書類を自力で作成するには、手間と時間がかかります。
特に青色申告の場合は取引を1回1回記帳しなくてはいけないため、非常に大変でしょう。
海外FXでの利益が増えて、法人化した人の多くは税理士に依頼して青色申告を行ってもらっている場合がほとんどです。
ただ個人事業主として青色申告を行いたい場合は、青色申告用のツールを使うと便利です。
申告方法の選択
確定申告を行う際は、申告方法を上記の3つから選ぶ必要があります。
- 税務署に直接持っていく
- e-Taxを利用してオンラインで申告する
- 郵送・信書便で税務署に郵送する
基本的にはどの方法で申告を行っても問題はありませんが、節税対策を考えたい場合には注意が必要です。
青色申告特別控除額 | 要件 |
---|---|
65万円控除 |
|
55万円控除 |
|
10万円控除 | 55万円・65万円青色申告特別控除に適合しない青色申告者のみ |
青色申告特別控除で最大65万円控除を適用させるには「e-Taxを利用してオンラインで申告する」を選ぶ必要があります。
利益が多く、節税対策に青色申告を活用したい人は必ずe-Taxを利用した申告方法を選びましょう。
納付方法の選択
確定申告を行う時に、FXの収入が会社にバレたくない人は自分で納付にチェックをつけましょう。
確定申告では収入を確定することで、翌年の住民税や所得税などの金額を確定します。
会社から給与の支払いを受けている給与所得者は、会社の給与と合算されて年末調整をされる可能性があります。
合算される場合、他の社員よりも住民税や所得税の支払金額が多くなるため怪しまれるかもしれません。
副業について知られたくない場合や、副業禁止の規定を破っている場合は確実に「自分で納付」にチェックをしましょう。
海外FXで個人事業主が青色申告をするメリット
青色申告は複式簿記や事前申告など不便な点が多いように感じるでしょう。
ですが様々なメリットが用意されているので、ぜひ挑戦してみてください。
また現在は複式簿記を簡単に作成してくれるツールも増えているので、思っているよりも簡単にできるはずです。
基礎控除が増える
青色申告を選択すると、所得金額に応じて基礎控除が適用されます。
所得金額 | 基礎控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超~2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超~2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
基礎控除とは青色申告で申告を行うこと+@の条件で適用されるので、節税対策をしたい人には青色申告を選んでいることがほとんどです。
また青色申告を行うと、以下の「青色申告特別控除」を適用できる可能性があります。
青色申告特別控除額 | 要件 |
---|---|
65万円控除 |
|
55万円控除 |
|
10万円控除 | 55万円・65万円青色申告特別控除に適合しない青色申告者のみ |
青色申告特別控除額は10万円・55万円・65万円の3つの区分に分かれています。
最大控除を受けるには以下の条件を満たす必要があるので注意してください。
- 青色申告承認申請書の提出
- 事業所得か事業的規模の不動産所得を持っている
- 複式簿記での提出
- 発生主義での記帳
- 青色申告決算書類(貸借対照表・損益計算書)の添付
- 申告期限内の申請
- e-tax(電子申告)による申請または電子帳簿保存
これらの要件を満たせない場合、10万円控除に引き下げられてしまうので要注意です。
税制上優遇されやすい
青色申告は定められた条件をクリアして、管轄の税務署長から承認されると優遇措置を受けられます。
例えば優遇措置の一つとして、青色申告特別控除による所得税の負担を削減できることを解説します。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円~3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円~6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円~8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円~17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円~39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
青色申告特別控除の最大金額は65万円です。
計算方法を解説していくと、まず(収入-経費-青色申告特別控除)-所得控除額で課税所得金額を求めます。
計算で求められた課税所得金額に対してすでに決まっている税率を掛けると、所得税額の計算が可能です。
通信費を経費にしやすい
青色申告では家事按分を自分で設定できるため、使った分だけの通信費を経費計上できます。
家事按分とは私用で使っているものを事業で用いた場合に、事業で用いた分だけを経費として計上する方法です。
青色申告の家事按分の規定は、「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られる」です。
つまり青色申告の家事按分割合は、事業で用いた分だけ申告可能と言えます。
ちなみに白色申告の家事按分は「業務・仕事の部分の割合がおおむね50%超の家事関連費だけが対象」となります。
白色申告の場合は家事按分の対象がそもそも事業用に50%使用している経費だけなので、20%ほどしか使用していない場合は申告できず不利です。
海外FXで個人事業主が青色申告をするデメリット
海外FXで個人事業主として確定申告する場合、複式簿記を使用する必要があり手間がかかります。
複式簿記 | 簡易簿記(単式簿記) |
---|---|
1つの取引を複数の科目で記帳 | 1つの取引を1つの科目で記帳 |
複式簿記にするだけで勘定科目が増えていくので、書類が物理的に多くなります。
また、白色申告の際の簡易簿記では年間の利益を記載すれば大丈夫ですが、青色申告で使われる複式簿記はトレードの詳しい内容の記載が都度必要です。
長期トレードの場合はそこまで複雑ではないですが、デイトレードやスキャルピングのように取引回数が多いと現実的に記載が難しくなるでしょう。
また海外FXでドル建てを行う人もいるかもしれませんが、為替差益や為替差損の記入も必須となるため大変です。
頻繁な取引が予想できる人には青色申告は向かないと言えます。
帳簿の複雑さが青色申告のデメリットとして挙げられることも多いですが、事前申告の面倒さもよく言われています。
青色申告を行うには確定申告を行う年の3月15日までに「青色申告承認申請書」と「開業届」を税務署に届け出る必要があります。
これからの利益が見込めない、これからどれくらい損失がでるかを予想しにくいFXだと青色申告承認申請書を届け出るか迷うでしょう。
ただ青色申告承認申請書を提出しておいて白色申告を利用しても大丈夫です。
節税対策、控除など何をどれくらい活用するか今の時点で分かっていなくても、青色申告承認申請書は提出しておいて損はありません。
海外FXの個人事業主が節税する方法
海外FXで利益を出している個人事業主は、以下のような方法で節税対策をしましょう。
- 経費にできる限り計上する
- 青色申告を利用する
- 内部通算をする
- 法人口座を開設・法人化する
まずは、青色申告で事業に関する経費は必ず全て経費計上をしましょう。
また青色申告を利用すれば最大55万円控除を受けられるため、所得にもよりますが活用してみてください。
さらに、先ほど説明したように海外FXは損益通算が可能です。
損益通算とは雑所得同士で利益と損失を相殺する節税方法で、雑所得で損失があれば活用できます。
雑所得の損失の例で言えば、災害や盗難、横領などの損失のことです。
しかしこれらの節税対策には限界があり、そこまで大きな節税効果は期待できません。
そこで海外FXで利益を得ている個人事業主におすすめの節税対策が、節税のために法人化することです。
海外FXの個人事業主が法人化するメリット
海外FXで儲けている個人事業主が法人化するメリットを具体的に解説していきます。
税率が変わる
まず法人化によって所得税の税率を抑えられるので、税負担を少なくできます。
個人 | 法人 | |
---|---|---|
税金の種類 | 所得税(累進課税) | 法人税 |
税率 | 5~45%+住民税10% | 15~23.2%+法人事業税・法人住民税 |
個人事業主と法人に掛かる税率の最大値を見てみると、20%近く個人事業主の方が税率が高く設定されています。
ただ法人化によってかかってくる税の数が、個人事業主の時よりも増えてしまうデメリットもあります。
- 法人税
- 地方法人税
- 法人事業税
- 法人住民税
法人が納付する税は上記の税金を合計した”実効税率”を法人の所得に掛けて求めます。
支払いの数は増えてしまいますが、個人事業主のように45%と高い税率がかかる心配はありません。
法人と個人の違いは開設する口座の種類の違いで説明できます。
個人口座 | 法人口座 | |
---|---|---|
設立費用 | 0円 | 10~30万円程度 |
所得税の算出方法 | 確定申告 | 決算申告 (税理士に依頼) |
損失繰越 | 不可 | 10年間 |
赤字の課税 | 課税なし (確定申告不要) | 法人住民税7万円~ (決算申告必要) |
未決済ポジションの取扱い | 所得に含む | 所得に含めない (決裁書に記載) |
経費の範囲 | 限定的 | 広範囲 |
損益通算(損益の相殺) | 不可 | 可能 |
法人口座は開設まで面倒ですが、稼ぐ金額が大きくなっても課税額は大きくなりません。
稼ぎが多くなる場合は法人化を検討してみてください。
経費範囲が変わる
法人化すると経費計上できる範囲が変わるので、節税対策が個人事業主よりも簡単にできます。
法人化すると、賃料やPC購入代など法人名義のものなら経費として計上可能になり、保険料や社員の給与、家賃も経費計上できるので、大きな節税効果を期待できます。
また経費範囲が変わることで、損益通算の範囲も変わります。
個人事業主の場合国内FXと海外FXでの損益通算はできませんが、法人化すると国内FXと海外FXで損益通算が可能です。
国内FXの損失があれば、海外FXでの利益を相殺できるため海外FXの利益分の税金を節税できます。
さらに、法人化によって含み損も計上できるようになるので、さらに課税額を抑えられるでしょう。
長期投資の際は含み損が多く発生していることがあり、その分損をしてしまいます。
その点法人口座ならスイングトレードや長期投資の際に損をしません。
ただ含み損は含み益と一緒に計上する決まりになっているので、含み益の方が多い場合は節税効果は薄れてしまいます。
個人事業主による海外FXの確定申告まとめ
今回の記事では、海外FXでの個人事業主の確定申告のやり方やポイント、節税方法を解説しました。
海外でのFX取引の利益は確定申告が不要なのではと勘違いしている人もいるかもしれません。
たとえ海外で利益を得たとしても、あなたが現在日本に在住している限り取引には日本の法律が適用されます。
確定申告が必要な基準に収益が達している場合は、必ず確定申告をしなくてはいけません。
適切な控除や節税対策を行い、得た報酬の中から税金を支払いましょう。
なお、以下の記事でおすすめの海外FX業者のランキングを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。